こちらは青春番外地

ツイッターでは溢れることを書きます。「ですます」「である」が混在していますが、書いた時の気分次第です。面倒なので統一はしません。

デマを流す人々について。

◆たまたま北海道に旅行に出かけており、被災した。その時とった行動やらについてはいつか書いてみる。今回の出来事では、現地でのデマの多さに本当に驚いた。

◆「泊原発が危ない」「本震が今日の夕方にくる」「電気の復旧には1週間以上かかる」これらのデマの頭には「北電に勤める友人から聞いた」「自衛官の友人から聞いたんだけど」などのフレーズがついていた。

◆これらはすすきの やフェリー乗り場で聞いたのだけれど、Twitter上ではもっとひどかった。「地震兵器説」なんてものも飛び出していて、本当に驚いた。インタラクティブな世の中で、誰もが情報を発信できる以上はこういったこともありうるだろうけれど、まさかこれほどまでとは。

◆これらのデマが出回るということは、「デマを発信する人」「デマを信じ拡散する人」の2種類が存在する必要がある。「デマを発信する人」は何らかの情報を誤って理解して発信してしまうといった人が多いのだろう。「信じて拡散する人」に関しては、良かれと思って行う人が多いのだろう。

◆このような行為を取ってしまう最大の問題点は論理的思考が欠如しているということだ。「海保から聞いた本震予測の情報」については、特別な知識や教養がなくとも疑うべきだとわかる。なぜなら、そうした調査を行い発信する機関として気象庁が存在すること、そして海上保安庁の主たる任務が海上の治安維持であることは常識だからだ。この二つの常識を知り論理的思考力があれば、この情報が限りなく偽りであることがわかる。

◆次の問題点は、これらの情報を拡散してしまう人の中に高校や大学を卒業した人がいることだ。これらの教育機関は、論理的思考力を養うために存在する。中学までは義務教育であるから、ペーパーテストを受けずに入学できる。一方、高校以上の教育機関は一定の基礎学力と思考力を有することを証明しなければ入学できないからだ。

◆現代では、ほとんどの日本人が高校に入学し卒業できる仕組みであるから、高校は基礎学力と思考力を身につけなくても入学・卒業できるかもしれない。しかし、大卒者にその言い訳は通用しない。

◆大学教育は儲からない。高給取りの教育職員、高校の数倍の事務職員、膨大な設備投資、文科省による厳しい規制。これらの要因から大学というのは採算が取れることは少なく、ほとんどの大学が国から何らかの支援を得ている。(もちろん、高校も国や自治体から支援を得ている。)

◆したがって学校にはそれなりには学生に対して思考力を身につけさせる義務がある。ところが、ふたを開けてみると大卒者であっても微塵も思考力のない人間が少なくない数、存在する。この点には教育機関の責任があるだろう。

◆ここで視点を変えてみる。中卒であっても、これらのデマを疑う思考力を持つ人は少なくない。彼らは高等教育を受けていないにも関わらず、高等教育を受けた者の並あるいはそれ以上の論理的思考力を持っているのである。彼らが何によってそれらの力をつけたのかが非常に気になる。

◆デマを流す行為は、二次災害を引き起こしたり、集団パニック状態を発生させたりと非常に危険である。拡散する行為も同様である。そこまでの被害は生じないにせよ、事実ではない、信ずるに足らないと頭では理解できていても、これらに一瞬でも惑わされ困惑する人がいると思うと、聞いているだけで不快だ。

◆僕の周囲の友人にも、おそらくデマを拡散した人物はいる。せめて大学生のうちくらいは、キャパシティに余裕もあるのだから、小難しいことを考え、論理的思考力を身につけようと努力していきたい。できることなら、考えることの楽しさを周囲に伝えていきたい。そのためにも、たくさん本を読んで、たくさん勉強しよう。