こちらは青春番外地

ツイッターでは溢れることを書きます。「ですます」「である」が混在していますが、書いた時の気分次第です。面倒なので統一はしません。

人生で自らの欲望に対していちばん誠実だった時期について。

◆皆さんは、いつでしたか?自分の欲望にいちばん誠実だった時期。僕は中学生でした。

◆欲望は一つではないので、僕の欲望のひとつ、性欲について記そうと思います。かといって下ネタという訳でもないのかも。

◆僕が性欲という自らの欲望についていちばん誠実だったのは中学生でした。行為そのもののみならず、人間を好きになるとはどういうことだろうか?という疑問が常にありました。

◆「融合なき愛はただ 意思なき妄想に等しい」と歌ったのは尊敬するサザンオールスターズ。親子2代のサザンファン、胎教として「勝手にシンドバッド」「TSUNAMI」を聞いていた僕はこのフレーズにやられた。そう、「融合なき愛はただ 意思なき妄想に等しい」のだ、そして「愛なき融合」もまた、ホンモノではないのだと考えた。

◆僕は読書が好きだ。小学校高学年の頃は、自転車で50分程度かかる所にあるBOOK OFFに土曜日の朝に出かけ、日曜日はずっと本を読んでいた。中学に入ると貴重な部活のOFFがあれば必ず自転車で40分(成長して早く着くようになったのだ)のBOOK OFFに出かけ、50円均一コーナーを血眼になって探索した。空のリュックサックと空のトートバックを持って坂道を下り、帰り道はいっぱいのリュックサックとトートバックを持って坂道を登る日々を送った。

◆50円均一コーナーは雑多に並べられている。350円のコーナーとは全く違う。ホコリを被り、なにやら分からない液体が背表紙にこべりついてかさかさに乾燥していて、触ると粉を吹く。

◆おそらく本の状態によって分類されているので、状態の悪い本を大量に売却したであろう痕跡が残っている。つまり、同じ売り手の本が同じ場所に収まっているのだ。

◆おそらく売り手のセンスと僕のセンスが一緒だったのだろう、5冊程度を一気にカゴに入れる。これでも250円である。こうしてまとめて本を買う訳だが、その中に混じった1冊が「風の歌を聴け」だった。

◆村上作品にありがちな主人公なので、手当たり次第に女と寝る。愛を語ったりはしないし、飄々としているし、その描写は作業的ですらある。このようなこともあるのか、と子どもながらに衝撃的だった。

◆僕の中学1年生の読書感想文は「潮騒」だった。この本は本当に丁寧に描写する。行為自体も、行為中の心の動きも。三島文学での性欲と、村上文学の性欲は、本当に違う。しかし一方で非常に似ている。

◆このように、文学作品を徹底的に分析批評し、僕は性欲と向き合った。今思えば、非常に自らの欲望に誠実だったと思う。

◆卒業も近いということで、後輩と会話する機会を多く持っている。会話していると、そういえば大学生活こんなことがあったなあ、と思うのだが、本当に自分の欲望に誠実ではなかったなあ、と今では思う。

◆部分的な選択としては、欲望に忠実だが、それは全体的に見ると全く自分の欲望に沿っていないことが多かった。全く構造的に全体を俯瞰視できていなかったな、という後悔だ。もし、今なら絶対に始めなかったこと、今なら絶対に手を出さなかったこと。。。欲望に誠実であれば「手を出さなかったこと」だらけだ。

◆得られたものがあったのかなかったのか、もし別の選択をしていればもっと何かを得られてのか?分からないが、少なくとも僕が欲望に誠実ではなかったのは事実だ。

◆過ぎてしまったことは仕方ないので、これからどうすれば自分の欲望に誠実でいられるか、つまりはどうすれば自分らしく生きていくことができるのかを大切にして生きていこう、と強く思った。